あなたの想いをドラマにする
「ファンメイクシアター」
プロデューサーの冨永真佑(とみながまゆ)です。
コミュニケーション能力を上げよう!と言われるようになってかなりの年数が経ちます。
就職でも、コミュ力のある人を採用しよう!
良い会社に入りたかったらコミュ力をあげなくちゃ!
とよく言われますが、はたしてコミュニケーション能力は本当に必要でしょうか?
若い人がどんどん減少し、高齢化に向かっている日本。
過去に例を見ない世代バランスの偏りがどんどん進む日本において、本当に必要なのは、「受け入れ力」
今日は転職率、離職率を減らし、チーム力を上げる「受け入れ力」についてのお話しです。
目次
ドラマ『グッド・ドクター』に学ぶ。偏見をチーム力に変える物の見方変革
現在、フジテレビ木曜夜10時から放送中のドラマ『グッド・ドクター』(主演: 山﨑賢人さん)
この記事を書いている時点で5話が終了し、平均視聴率は10%超。
大ヒットとは言いませんが、それでもじわじわと心温まるストーリーが好評を博しています。
【画像はフジテレビ グッド・ドクターより引用】
2013年に韓国でドラマ化、2017年にはアメリカ、そして今年2018年に日本でドラマ化されました。
自閉症で、サヴァン症候群である主人公 新堂湊に対する病院や患者側の受け止め方が毎回注目されるストーリーになっています。
「自閉症」というと、落ち着きがなく、コミュニケーションが取れず、自己中心的な行動が多い
「扱いずらい人」
という印象を持ちがちですね。
このドラマでも同様に扱われ、自閉症者が医師になるということに周りは反対し、偏見を持つ
第1話はそのようなスタートで始まります。
サヴァン症候群とは
知的障害や発達障害などのある者のうち、ごく特定の分野に限って優れた能力を発揮する者の症状を指します。
このドラマ内でも、湊が自閉症であるということから
「そもそも医師が務まるのか?」
「問題行動を起こされたらどうする?」
という偏見から湊を変わり者扱いする医師や患者が大半の中、少数の理解者が湊の本質を見抜き、助けることで、湊にしかない洞察力・観察力が、ベテラン医師でも思いつかない処置で、難しい患者のオペを成功させるという展開へと移っていきます。
毎回1話完結なのですが、第5話では、天才ボーイソプラノ歌手、羽山響君がのどの不調を訴え入院してきます。
【画像はグッド・ドクター第5話より引用】
すぐにでも手術をしないといけない状態にもかかわらず、手術すると声が出なくなる危険性が高いとのことから、父親が手術に反対します。
緩和措置だけ取ってくれればいいと、頑なに手術を拒む父親。
病院関係者は有名人に何か不都合があってはマスコミに騒がれると湊を遠ざけようとします。(これは他の医療ドラマでもよくある光景です(笑))
けれど、響君の正しい病名を発見できたのは湊だけで、さらに画像診断では見抜けない細かい部分を湊が絵で描写するという、サヴァン症候群ならではの力を発揮し、声を守った状態で手術は成功します。
毎回毎回「余計なことをするな!」と怒られながらも、子どもを助けたい!という湊の熱い想いは誰にも止めることができず、結果毎回手術は大成功します。
ここで物の見方が大事になってくるわけです。
自閉症=人の話しを聞かない困った奴。病気だから。普通じゃないから。余計な面倒を掛けないでくれ
という見方しかできない人からすれば、湊の良いところをは延々理解できないままです。
その一方で、湊を支える先輩ドクター瀬戸 夏美(演:上野樹里さん)のこんなセリフがありました。
「新藤先生は医師として独り立ちするのはまだ難しいかもしれません。でも、チームの一員としてなら私たちでは気が付かないことをたくさん教えてくれる。」
このセリフ、あなたはどう思いますか?
実は夏美のこのセリフが「受け入れ力」であり、偏見をチーム力に変える物の見方なのです。
常識とは時代とともに移ろうもの。常識に振り回されると見落とす「チームの力」
日本の教育は、「こうあるべき」という常識を軸に物を考える思考癖がついています。
子どもが本格的な集団行動を覚え始めるのは、小学校からですよね?
何をするにも先生がこうしましょう!これはいけません!と指導をする。
子どもたちは幼いからこそ、先生の言うことを聞きます。
授業の時間も同様で、「この問題には、この答えが正しい」という教育をされてきた、いわば答え合せの教育の行って来ています。
これが6歳からずっと続けらるのですから、思考癖がついてしまうのは当然です。
『こうあるべき』
それは一見、輪を守り、ルールを守り、良いことのように思えますが、実際はどうでしょうか?
日本は物質的にもとても豊かになりました。
ネットの普及に伴い、過去に類を見ない便利さが得られるようになりました。
にも拘わらず、ネット社会だからこその問題点も出てきています。
それは、「コミュニケーション不足」
ネット社会になり、人と人が繋がることはとても簡単にできるようになりました。
以前は友達なら電話番号を知らないと話しができませんでしたし、年賀状を書こうと思ったら住所も知らないといけません。
最低限、「どこの誰か?」を知らないと交流ができませんでした。
けれど、今はSNSのアカウントさえ持っていれば、表面上は繋がることが出来る。
時間や相手の状況を気にせず、メッセージを送信すれば一見、会話が出来ている感覚にも陥ります。
メールも同様ですね。
社内でお願いしたいことがあれば、メールで連絡を取ることはできますから、文章で指示命令はできるのです。
発信した側は「伝えた」と思っていても、受け取る側は「???」というのが文字発信の弱点です。
それに比べ、直接会話で伝えれば、表情やニュアンスから伝わる情報は増えるかも知れません。
それでも、短期間で仕事を辞めてしまう人がなかなか減らないのはなぜでしょうか?
理由は簡単です。
それは「相手を受け入れる」「相手を理解する」
という思考・発想が発信者側に無いから。
とても簡単なことなのですが、気が付かない人が本当に多い。
人材は勝手に育つのではなく、「育てる側の発信力」「受け入れ力」で良くも悪くも変化していくのです。
特に、「こうあるべき」という常識は年代とともに微妙に変化しています。
若い世代が減少し、年齢的世代間差が必要になるこれからの企業において、「常識」の軸はあってないようなものなのです。
であれば、自分の常識と相手の常識にどんな差やズレがあるのかを理解し、相手を受け入れる度量を磨くことが、一方的に相手にコミュニケーション能力を求めることよりも、数段早く会社を活性化させることができるのです。
わかっているのが常識…という思い込みを捨てる。受け入れ力を見直すだけで変わる職場の雰囲気
前回の記事で、雇用者側が一番求めているのは「会社の雰囲気」であるとお伝えしました。
終身雇用が崩壊し、ボーナスや退職金も多く見込めなくなり、会社の体力が弱まっている今、「この会社でずっと働きたい」と言う思いをキープするには、「会社の雰囲気」がとても重要です。
人間は、どんなに物理的に安定した恵まれた環境にあっても、精神的な満足が得られないと、よそに目を向けてしまうように出来ています。
自分が受け入れられ、必要とされ、目の前のことに面白みややりがいが見いだせれば、そもそもよそに目を向ける必要など無いからです。
バランスの良い満足感
これを与えてあげることが大事なのです。
企業の雰囲気というのは本当に会社ごとに異なります。
A社ではこれが常識と言われていたことがB社では全く不要で、A社とは違う常識を求められる。
Cさんという人間の本質は何も変わらないのに、どこに務めるかで勤務先に合わせなければなりません。
面接や説明会に参加しても、実際に働いてみないとわからないのが職場環境。
そのために、たくさんの時間とエネルギーを就職活動に費やし、採用にこぎつけてもそれがベストな選択だったかどうかの保証は無い。
採用側も同じことが言えます。
特にここ数年の中小企業の採用難、人材不足はかなり深刻です。
ここに、東洋経済新聞の記事を引用します。
この記事によると、2017年上期の人手不足倒産の件数は4年前の2.9倍だそうです。
仕事があるのに、人が足りていない。
そして、人手不足が原因で倒産までしてしまう…
バブルが崩壊し、求人倍率が跳ね上がった当時、大学を出てもアルバイトすら無かった時代を経験した人からすると、なんという逆転でしょう!
こうやって「常識」というのは時代とともにどんどん変化するのです。
だからこそ、時代に振り回されず、「こうあるべき」という常識を常に見直し、目の前にある人材を一方的な角度から見るのではなく、見落としている良いところがあるのでは?という発想に経営者側、採用側が変えることで、今まで人材だと思えなかった人の良いところを見直すことが出来るのです。
見えなかったところが見えてくる…
それが「受け入れ力」の第一歩なのです。
「受け入れ力」がアップすると会社の雰囲気は一変する。一人一人の受け入れ力を広げるこんな方法
「受け入れる力」
これを養うことで、会社の雰囲気は格段にアップします。
Aさんがどう、Bさんがどうと言ったところで、人は急には変われません。
他人のことはいろいろわかっても、自分のことがわからないのが人間なのです。
そして自分を見つめるより、他人のせいにしている方が楽ですから、相手に変わることだけを求めようとします。
これではいつまで経っても会社の雰囲気は変わらないのです。
自分は今までこういう物の捉え方はできなかったけれど、こういう人もいるのよね。
という「受け入れ力」を磨くことは、ちょっとした意識の変革ですぐにでもできることなのです。
相手にだけコミュニケーション能力を求めるのではなく、一人一人が「受け入れ力を養う」ことの方が遥かに大切なのです。
ファンメイクシアターでは、ドラマケーションというノンバーバル・コミュニケーションを活かした研修プログラムをご提供しています。
ノンバーバル・コミュニケーションは他でも積極的に記事に取り上げられています。
コミュ力を上げなさい!と一方的に言われても、具体的にどうすればいいのか?
結局わからず、返って戸惑わせてしまうだけなのです。
相手を理解できない、受け入れられないというのはその人個人がずっと抱えてきた「思考癖」である可能性が高いのです。
世の中にはいろんな価値観、考え方の人がいる。
「受け入れてみよう!」
という意識の変革を会社全体で促せる空気が出てくれば、一個人にコミュニケーション能力を求めるより遥かに成果が上がるのです。
この記事にもあるように、ノンバーバル・コミュニケーションの最大の利点は、
1.コミュニケーションを円滑にできる
2.他者の気持ちを読み取ることができる
3.相手に与える印象を変えることができる
です。
人は言葉で指示命令されても、心が納得しなければ腑に落とすことはできません。
心から「ああ、そうだな。」「本当にそう思う。」
という納得が出来れば、口酸っぱく言われなくても自ら行動するようになるのです。
そのために必要なのは、
● 視覚情報(しぐさ、表情、視線、容姿、身だしなみなど) ・・・55%
● 聴覚情報(声の高低や大小、話の速さやテンポなど) ・・・38%
● 言語情報(話す言葉そのものの意味や内容) ・・・ 7%
であり、視覚情報・聴覚情報よりも言語情報だけでなんとかしようとしてきたのが日本の教育なのです。
人間は心とからだと脳がバランスよくじわじわとした充足感を感じる時、心からの安定と幸福感を得るように出来ています。
心とからだと脳…この3つをバランスよく保てるのがノンバーバル・コミュニケーションなのです。
頭で考えるはあくまでその人の一部の力でしか無いのです。
企業側がもっと積極的に人と関わる機会を与えてあげるだけで、見落としているその人の良いところをお互いに認め合うことが可能となるのです。
会社の雰囲気に悩んでいるなら、ノンバーバル・コミュニケーションをぜひ取り入れてみてください!
お問合せ・お見積りはこちらから
本日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。