人材教育のコツが明快にわかる!札幌市役所「虎の巻シリーズ」から人の育て方を考察してみよう

あなたの想いをドラマにする

「ファンメイクシアター」

プロデューサーの冨永真佑(とみながまゆ)です。

 

あなたは、札幌市が製作している発達障がい者の方への理解増進を目的とした「虎の巻」シリーズという小冊子をご存知でしょうか?

 

 

「子育てで使える」

「学校で使える」

「暮らしで使える」

「職場で使える」

など

 

家族や周りの人たちとの間で起こりがちな、思いの違いや対応法についても、イラストを用いて視覚化しています。

 

特に、「職場で使える虎の巻」は発達障がいの方に限らず、一般の方でも十分に使えるし、考えさせられると、ブログやTwitterなどで話題になっています。

 

今日は、発達障がいのある人たちへの支援ポイント「虎の巻シリーズ」の内容をお借りして、人材教育について考えてみたいと思います。

 

ちょっと気に掛ければ誰でもできる目からウロコのポイントが満載ですよ!

 

伝えているつもりと伝わっているは大きな違い。イラストで視覚化したわかりやすい取り組みが好評

虎の巻シリーズの素晴らしいところは、イラストを使い、具体的なTPOとどのような言葉で指示を出しているのかをわかりやすく示しているところです。

 

また、伝達の難しさと言いますか、「伝えているつもり」と「伝わっている」の違いや、部下からよりも上司からのちょっとした配慮が職場環境を良くし、部下のやる気もアップさせるという、今日からでもちょっと目線と考え方を変えるだけで、人材教育の肝になる部分が満載です!

 

 

虎の巻その一

 

 

このイラストにあるように、大事なところが「赤字」で記されています。

 

 

この例はパン屋さんに就職した発達障がい者の方と指導する上司とのやりとりです。

 

例えば、クリームを塗る量について

右側のイラストは

「こうやって」

と言いながら具体的な塗り方と量を、目でわかるように伝えていますね。

 

その答えとして障がい者さんは

「見本があったので」

と答えています。

 

つまり、見本があったので、「どれくらいの量をどういう風に塗ればいいのかが理解できた」ということです。

 

それに比べて、左側のイラストは

「てきとうに」塗って

 

と指示を出しているにもかかわらず、思ったような仕上がりにならなかったので、「普通に考えて」ありえない

 

と上司は不満げです。

 

 

それに対して障がい者さんは

「どらぐらい塗るのかを教えて欲しかった」

と思っています。

 

ここで両者に感覚の差が生まれていますね!

 

どうですか?

 

あなたの職場で、このようなこと、起こっていませんか?

 

「ああ、あるある」

「わかる、わかる」

 

と思わずつぶやいてしまった方も多いのでは無いでしょうか?

 

 

せっかくですので、もう1枚見てみましょう。

 

 

虎の巻その二

 

 

こちらも職場でよくある光景ですね。

 

特に、新入社員はいろいろと覚えることが多いですし、毎日気も張っていてただでさえパニックになりやすい。

 

けれど、早く覚えてもらおうと育てる側は少しでも多くいろいろ教えたい。

 

 

ところが、覚える方は全体がどれくらいの量になるのか?どこまで何を覚えるのが正しいのかが読めません。

 

全体感を見せてあげたり、順番を追ってその人の能力に合わせて少しずつやる範囲を増やしていってあげる。

 

そんなことの大切さがこの絵には表現されています。

 

 

そして、どちらの絵にも描かれてありますが、

 

「褒める」

 

これが凄く大事です。

 

 

最近、選手を育てるのに、暴力や暴言で指導したことが、体罰、パワハラとして告発されニュースになっていますが、日本人は昔から「厳しくしつける」ことが教育だと思っている節があります。

 

これはとても逆効果。

 

自分の意志ややって欲しいことを的確に伝えるなら、まずは「褒める」

 

あなたは誰かのことを毎日褒めていますか?

 

 

努力を褒められるとやる気の回路が育つ。伝え方の工夫で結果は変わる

 褒めるときに重要なのは、「頑張った」というプロセスを褒めることです。

多くの親や上司が間違いがちなポイントですが、「頭がいいね」「君はデキるね」と能力だけを褒めても、効果はあまりないでしょう。努力や熱意を褒めることで、やる気の回路が育つのです。

 努力を褒められて育った人は、たとえ失敗しても「次はもっと頑張ろう」「方法を変えてみよう」と考え、チャレンジを繰り返すことができます。

 つまり、どんな状況でもモチベーションを維持できる人を育てるには、能力ではなく努力に価値を置くことが重要なのです。

 

脳科学から見えてきた!やる気を高める4つの方法」より抜粋

 

 

 

出来た部分をしっかりと認めてあげ、その上で出来ていない部分に対して、叱るのではなく、「なぜ出来なかったのか?」の理由をまずは聞いてあげることです。

 

 

この絵で障がい者さんは

「全部完ぺきにやりたい」

 

だけど

「毎日やることが違うから覚えられない」

 

と言っていますよね?

 

それなのに、上司は

「やる気があるのか?」

 

とイライラしています。

 

伝えているつもりと伝わっているはこんなに大きな差を生み、それが原因で短期間で退職してしまっていたとしたら…

 

これはお互いにとってもったいない話しなのです。

 

知っていますか?否定的言動や行動はやる気をなくさせ、シャットアウトする脳の仕組み

人間は毎日たくさんの会話をしています。

 

その中で自分がやるべきことを理解し、行動します。

 

また、相手の行動からマネをしたり、ニュアンスを汲み取って再現しようとします。

 

その時に、とても大切なこと。

 

脳は「否定的な言葉」を聞いた瞬間、「冷たい態度を取られた」瞬間、やる気をなくさせてしまうということです。

 

 

そして、「同じことをすると怒られる」という嫌なシーンが記憶に残り、行動を制限するようになります。

 

こんな記事もありますよ。

ネガティブが脳に与える影響とは?ネガティブから抜け出す簡単な2つの対処法!

 

指導する側は

「もっと自分が思い描くような方向でやって欲しい」

 

と思っているだけなのですが、思ったように進まない「怒り」や「いらだち」が先に立っているだけなので、相手のことを考えていません。

 

これでは、一方通行でコミュニケーションが取れている状態ではないんですね。

 

日本人が良く使う言葉に

「ちゃんとやりなさい」

「しっかりしてよ」

 

というのがありますが、これはとてもあいまいな言葉です。

 

「ちゃんと」

「しっかり」

 

という言葉には「到達していない」といういら立ちがあるわけですが、何をどこまでどうやれば、その人にとっての「ちゃんと」「しっかり」なのか?というのが明確ではありません。

 

出来る上司であればあるほど、求める到達ラインが高いことが多いでしょうから、

 

「到達していない=ダメな部下」

 

という風に考えてしまうケースもありますね。

 

 

 

大事なことは、やってもらいたい仕事をなるべく早く、スムーズに、かつ質の高い形で終わらせて貰えればお互いに気持ちよくいられるわけですから、

 

まずは、

「相手を知ろう」

「受け入れよう」

 

という気持ちが大事です。

 

言葉だけでは人は相手の求めていることを理解することは不可能です。

 

仕事を共有したり、一緒に過ごす時間がある程度あって、初めて相手のことを知るようになります。

 

上手な教育法と言っても、

 

 1.まずは部下を知ること。

 2.自分の要求だけを求めないこと。

 3.なるべく細かくわかりやすい指示を出してあげること。

 

ちょっと視点を変えるだけで、作業効率が大きくアップすることもたくさんあるはずです。

 

札幌市役所の虎の巻シリーズはPDFとしてDLすることができます。

 

気づくことがたくさんありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

 

 

ファンメイクシアターでは、ドラマケーションというノンバーバルコミュニケーションを活用した社員教育・社員研修

 

また、教育ビデオの制作等を行っております。

 

くわしくはこちらのページをご覧ください。

 

本日はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

  
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